オペレーター歴10年が本音で話すストレスの少ないコールセンターを選ぶコツ
コールセンターと聞くとクレーム対応などストレスが溜まる職業というイメージの方も多いのではないでしょうか?
ですが、めったにクレームがないコールセンターもたくさんあります。一言にコールセンターといっても顧客や業務内容によってクレームもストレスも全く違います。
そこで今回はたくさんある求人の中から、ストレスの少ないコールセンターを選ぶコツを、オペレーター歴10年のわたしの経験をもとに本音で紹介していきます。
ストレスの少ないコールセンターを選ぶ基準
まず結論からお伝えすると、ストレスが少ないコールセンターは以下になります。
- 架電より受電がおすすめ
- お客様相談センターは避けるのが無難
- 顧客層の見極めが大事
- 人間関係に悩まない職場
それでは、その理由や見極め方を詳しく説明していきます。
受電(インバウンド)がおすすめな理由
コールセンターの仕事内容は、架電(アウトバウンド)と受電(インバウンド)の2種類に分類されます。
・テレアポ(商品やサービスの提案を行う営業)
・テレマ(アンケート調査などマーケティング)
・テレオペ(商品受注やサービス受付)
・カスタマーサポート(商品やサービス利用中の顧客対応)
・テクニカルポート(商品の使用法や操作の案内)
架電は主に営業、受電は受注や問い合わせ対応というイメージですね。
まずクレームという面だけで言うと、架電の方がクレームには発展しにくいです。
営業電話の場合はクレームになりそうであれば切り上げて終話すれば済むことがほとんどです。
ただ、わたしは多くの方に受電をおすすめします。もちろん向き不向きもありますので、それも含めて理由をお伝えしていきます。
架電・受電のメリットデメリット
まずは、架電と受電それぞれのメリット、デメリットを簡単に。
架電のメリット・デメリット
架電のメリットは、受電より給料が高い傾向にあります。またインセンティブが貰えるところも多くあります。
架電のデメリットとしては、架電件数だけなくリード(見込み顧客)件数など利益に繋がるノルマや目標の数字を重視される傾向にあります。
頑張りだけでなく、結果も重要ってことですね。
また営業の電話に嫌悪感や警戒感を示す人も多く、人によってはかなりストレスを感じることもあると思います。
受電のメリット・デメリット
受電のメリットは、何かしらの用件があって電話を掛けてこられているため、基本的にこちらの話に耳を傾けて頂けます。当たり前のことのようですが、会話する気がある方と、そうでない方との会話ではストレスが全く違います。
また架電では、感謝やお褒めの言葉を頂くことはほぼありませんが、受電はその機会も多いです。
受電のデメリットとしてはやはり架電より給料は安い場合が多いです。
また架電と違って、どんな要件か聞いてみるまで分かりませんので、経験や知識がないうちは電話に出る時に不安に感じることもあるかと思います。
架電・受電の向き、不向き
架電と受電の向き、不向きに関しては先述した通り、架電の営業電話は嫌悪感や警戒感を示す人が多く、塩対応をされる場合がほとんどです。
一方、受電は受注や操作案内などの業務を経験しましたが「有難うございます。」や「助かりました。」と言って頂けることも多く、人の役に立っていることを実感できる機会も多いです。
正直、人の役に立ちたいと思ってコールセンターを選んだわけではないわたしでも喜んで頂けると嬉しいものです。
迷惑がられる可能性が高いのと、喜んで頂ける可能性が高いのでは、どちらがストレスが少ないかは言わずもがなで、多くの方に受電をおすすめする理由です。
ただ、その一方で架電が向いているという方もいます。
塩対応をされても全く気にしない、また嫌な気持ちになってもすぐに切り替えられる方。成績や結果を出すことに仕事のやりがいを感じ、そのためなら嫌な事を言われても仕事だと完全に割り切れる方。
こういった方には比較的、給料も良いですし架電の方が向いているかもしれません。
給料がモチベーションを高めてくれて、仕事への意欲に繋がる効果は非常に大きいですし。
お客様相談センターは避けるのが無難
受電がおすすめではありますが、そのなかで避けた方が無難なのがお客様相談センターです。
お客様相談センターはスキルもストレス耐性も必要です。
商品やサービスに不満を持って電話をして来られるお客様が多く、スピーディーで正しい判断が要求されます。
電話では解決出来ない内容も多く、「然るべき部門に申し伝えます。」という返答で終話に至ることも多いですが、そこまでのプロセスがとにかく大変です。
咄嗟の判断ミスがすぐにクレームに繋がったり、そもそもクレームの入電だったりするのでストレス耐性があり、電話応対に自信を持てるようになってから選ぶべきだと思います。
顧客層の見極めが重要!
もっとも重要と言っても良いのが、実際に電話応対することを想定した顧客層を見極めようということです。
BtoCよりBtoBがおすすめ
BtoBというのは「個人ではなく法人を相手にする」コールセンターということです。
法人を相手にしたBtoBのコールセンターの場合、先方も会社の名前を背負っていますし、むやみに横柄な態度を取ったりされることはかなり少ないです。
これは個人的な感想ですが、やはり大手に勤めている方は理解度も高く会話がスムーズに進みますのでそういった意味でもストレスは少ないです。
主な顧客が高齢者のコールセンターは避けるべき
ちなみに、それとは逆にビックリするような無理難題や非常識な発言、短気で取り付く島もないというのは高齢の方が圧倒的に多いです。
脳科学者・西剛志氏によると、脳の老化によって「客観・抑制脳」と「共感脳」の2つの脳機能が低下すると、「相手の気持ちを読む力」が衰えたり、自分の感情を抑えられなかったりするそうです。
「老害」というと、「すぐ切れる」「空気が読めず周りに迷惑をかける」など、トンデモな老人をイメージされるかもしれません。しかし、実はこれは脳の老化によって脳機能が低下することで起きる特徴でもあります。
これは本当に身をもって体感してきましたので、例えば高齢者向け商品の受注、年金相談、給付金相談など、主な顧客が高齢者と想定できるコールセンター は避けた方が無難です。
職場の人間関係に悩まないコールセンターを選ぶ
職場の人間関係がストレスになることも多いですよね。
これを避けるには、大規模なコールセンターがおすすめです。200名を超えるコールセンターで働いていた時は、挨拶はするけれど名前が分からない人なんて大勢います。
人数が多いと必要以上に干渉しすぎることもなく程よい距離感を保てます。「自分は自分、人は人」を貫けるのでとても気が楽です。
求人広告の「アットホームな職場です!」というコメントを見て、面倒くさそうと感じるのはわたしだけではないはず…。大規模なコールセンターはアットホームな職場感は全くありません。
そもそもコールセンターはチームで仕事を進めるものではなく、基本的に個人で取り組む業務のため、「あの人と仕事の進め方が合わない。」とか「あの人、ミスが多くてフォローが大変。」なんてこともありません。
交友関係を広めたい人はたくさん職場に友人を作ることも出来ますし、気の合う少人数の人とだけ付き合うことも可能です。
自分が心地よい距離感の人間関係を構築できるというわけです。
まとめ|コールセンター選びのポイント
あらためて、コールセンターを選ぶ際のポイントをまとめてみました。
警戒されたり、迷惑がられたりすることの多い架電より、有難うございますと言ってもらえる架電がおすすめ。
お客様相談センターはクレーム対応も多く、スキルとストレス耐性が必要なので避けるのが無難。
法人同士のやり取りになり、先方も会社の名前を背負っているため、むやみに横柄な態度を取ることは少ない。
無理難題や非常識な発言をされたり、短気なのは高齢の方が圧倒的に多い。
大規模はコールセンターでは、必要以上に人の業務やプライベートに干渉することがなく、自分に心地よい距離感の人間関係が構築できる。